ジャック・フィニイはSF作家だよね?
昔ずっと探してた本の話を書きます。
小学生(たぶん低学年)のときに、ある雑誌に、ある短編の紹介が載っていました(記憶ではオチまでしっかり書いてあった)。「アンティークで買った机。引き出しの中には八十年前に、前の持ち主の女の子が空想上の恋人宛に書いた手紙が入っていた。その誰宛でもない手紙の内容がぼくの心を大きく揺さぶった。そのときのぼくはとてもロマンチックな気分だったのだろう。この手紙に返事を書きたくなってしまった。届くはずもないのに……」。
こんな話です。タイトルも著者も覚えておらず、そのまま忘れてしまっていました。大人になり、ジャック・フィニイのSF『ふりだしに戻る』をたまたま読んでいたら、解説にその短編のことが書いてあるではないですか! そうか、ハヤカワ文庫に入っているのか〜。だけど、大型書店で青背(ハヤカワのSF文庫は背表紙が青いのです)の棚を目当てに何店か巡ったが出会えず。目録のSF文庫欄にも見当たらず。インターネットがまだ一般的ではない時代です。絶版? 見つけられませんでした。
またそれから数年経ち、その本が書店の平台に積まれていたのを発見してビックリ。実は絶版ではなく、ロングセラーでずっと売られ続けていたのです。手に取ったとき、なぜ見つけられなかったのかがわかりました。
なぜかって? フフッ、本書を読まれたかた、お持ちのかたはもちろん、ハヤカワの文庫をよく買われるかたも、もうわかっていると思います。私が何を勘違いしていたのか。ああ、それから、その短編のタイトルは『愛の手紙』です。